俺の名前は島崎ユウマ。
この身体には、かつて魔王を倒した「勇者の血」が受け継がれている・・・らしい。
いまどき小学生でも口にしないような話だが、熱く語る親父の真顔を見る限りおそらく事実。
しかし考えてみてほしい。この平和な時代にそんなものが必要だろうか。
ただながれているだけならともかく、困ったことにこの「勇者の血」のせいで、
俺の体に接触した女性は、激しい不快感に襲われるらして。
これはご先祖様が、破邪のちからを失うことが無いように施したありがたい封印の
副作用らしいのだが、平和な時代を生きる俺にとってはただの呪いでしかない。
おかけで小中学校時代、まともに女の子と手をつないだ記憶はない。
切実に願う・・・彼女がほしい。一緒に手をつなげるだけでもいい。
可愛くなきゃダメとか綺麗な子がいいとか、贅沢は言わない。
おそらく叶わない願望を抱きつつ、若くして一生童貞の覚悟を決めこんだ俺は
新作アダルトビデオ研究に日夜いそしんでいる。妄想だけならフリーダム。
そんなある日、親友の山田カイトに借りた久しぶりに俺的大ヒット作品を見終った時、
目の前に本物の天使が・・・いや淫魔(サキュバス)が舞い降りた!…
